FHS留学のステップ1「学校探し~入学申込み」
フォルクフーグスコーラ(FHS)留学を通して、一番初歩的かつ本質的な工程が”学校選び”です。FHSが提供するコースはバラエティ豊かでどれも知的好奇心をくすぐる個性にあふれています。
本記事からは、一つ前の記事 で紹介した『留学準備のスケジュール STEP5』を一つずつ紐解き、詳しく解説していきます。
STEP1は、ずばり”学校探し”。受講コースの基本情報から、学校探し、コースの申込み(入学手続き)までの流れを筆者の実体験ベースで紹介します。
この記事で分かること
✓ 学校探し~入学申込みまでの流れ
✓ FHSの特徴のおさらい
✓ FHS探しの公式検索サイトの情報
(所要時間: 約15分)
STEP1 学校探し~入学申込みまでの流れ
STEP1の流れ
学校探し ➡ コース / 入寮申込 ➡ オンライン面談 ➡ 入学許可証の発行
FHSの特徴、提供するコース
まずは改めて、フォルクフーグスコーラ(FHS)についておさらいをしましょう。
学校の授業は基本的にスウェーデン語となります。授業料は無料、学期または年間でサービス料が1 000~2 000SEK(約1.7~3.4万円)前後かかります。コース特性により材料費に数万円追加されるなど、学校やコースごとに金額は変動します。
生徒は18歳以上であれば誰でも通うことができ、それぞれのコースごとに定員が決まっています。コースの種類は大きく3つに分けられ、それぞれ一般コース、専門コース、その他コースとなっています。
注意点としては、募集人数に満たない場合にコース自体が開講されなかったり、定員を超えると申込期間中に早々に締め切るケースがあることが挙げられます。
FHSの特徴:
- 入学条件:18歳以上であること
- 授業は原則スウェーデン語(一部を除く)
- 授業料は無料(寮費または食費、サービス料などは別途かかる)
| コースの種類 | 対象となる人 | 内容・特徴 |
|---|---|---|
| 一般コース | 学び直しや進学を目指す人 | 幼児教育〜高等教育までの学び直し。大学進学資格の取得も可能 |
| 専門コース | 芸術・音楽など特定分野に関心のある人 | 実技中心、職業志向やグループ活動に焦点 |
| その他コース | 短期学習や体験を希望する人 | 短期/夏季コース、委託トレーニングなど。特別コースに類似の科目も多い |
一般コース
18歳以上を対象に幼児教育〜高等教育までの学び直しが可能で、学校から任意の評価を得ると大学進学への道が開かれています。
筆者の通った学校の一般コースでは、18~20代前半の生徒が8~9割を占めていて、大学の入学資格を取るためにに学ぶ20代以上の人が数名いるようでした。
専門コース・その他コース
一般コースとは異なり、特定の科目に焦点を当てて学びます。職業斡旋や委託トレーニングが含まれる場合もあります。
受講期間は学校や専攻により数週間〜年単位で設定されていて、季節限定の夏季/冬季コースのほか、学校へ通学して学ぶフルタイムや週末のみのパートタイム、オンラインで学ぶ遠隔授業など様々な形で提供されています。
成績や試験などの評価基準はなく、コース修了後は修了証(ディプロマ)が発行されます。
また、常設コースで翌年も継続して学びたい際は、定員に空きがあれば再度受講の申込んで引続き学び続けることも可能です。(一部の学校・コースを除く)
短期コース
短期間のみの専攻コースもあります。1週間程度のワークショップから、決まった季節にだけ開かれるもの(夏季キャンプや冬季スキー等)などは、寮住まいを受け付けずに通学可能な人のみを対象にする場合もあります。
遠隔コース
自宅のパソコンから授業を受けられます。学習密度はフルタイムではなく、週に数回または数か月に一度のパターンなどコースによって様々です。
スウェーデンと日本は7~8時間の時差がありますが、語学力に自信さえあれば留学せずに学ぶこともできるかもしれません。
バリエーション豊富な専門コース
特別・その他コースでは、園芸、音楽、陶芸、製本、料理、環境、木工、スキー、キャンプ、釣り、英語、演劇……。書ききれないほどのバリエーション豊かなラインナップが提供されています。
また、こうした特定分野以外で、就労を見据えた医療コースや移民向けの就労支援コースなど職業志向に寄ったものも多く存在します。
生徒の性別や年齢層は幅広く、高校卒業後の若者のほか、社会人がイヤーオフ*に活用していたり、休職あるいは退職後に”充電期間”として学生を選択する人々もいれば、リタイヤした高齢者の新しい趣味活動の場になっていたり、皆自由にのびのびと利用しています。
*イヤーオフ:高校卒業後の若者が大学進学前に興味や嗜好を模索するため1年間余白を取ったり(通称ギャップイヤー)、社会人が個人の成長や余暇を目的として取得する長期休暇(サバティカルイヤー)のこと。欧米では一般的な考え方の一つ。
コース選びはこちらの記事から
コースの受講申し込み時期
常設コースや長期コースでは、基本的にセメスター制が採用され、秋学期・春学期に分けられています。(一部コースを除く)
スウェーデンの6・7月は夏季休暇を取ることが多く、基本的に秋学期は8月後半~12月中旬まで、春学期は1月初旬~5月末までとなっています。
申し込み受付期間は、長期コースだと春先(2~5月)に集中していることが多いですが、受講期間やスタート時期によって変わります。
気に入ったコースや学校を見つけたら、申込受付の時期を確認しておきましょう。公式サイトを隅々までしっかりチェックし、疑問点は事前に問合せて解消しておくのがおすすめです。
コース・学校探しは公式ウェブサイトから
FHSの学校・コースは公式の検索サイトから探すことができます。公式サイトではジャンル別のコース検索ページのほか、マップ上から直接学校を探したり、検索フィルターで条件を絞ることもできます。
また、自治体や学校ごとに公式ウェブサイトを持っているので、カリキュラムやスケジュール、各費用、寮の設備などの詳細情報は簡単に閲覧することができます。
多くはPDFデータでダウンロードできるようになっているので、じっくり比較検討もしやすいです。
各SNSやYoutubeを開設している学校やコースもあるので、校風や実際の空気感をチェックするにはそれらを利用してみるのもよいでしょう。
学校検索 公式サイト
*スウェーデン語のページが別窓で開きますが、PCブラウザの翻訳機能またはGoogle Chromeアプリで日本語翻訳できます
公式サイトの使い方はこちらの記事をどうぞ
【実体験】筆者のケース|学校選びのポイント
どんな専攻があるかを知りたかったので、「コース検索」でジャンルを確認しました。最終的に いくつか選んだ気になるコースから「コース内容」「諸経費」「学校のエリア」を比較して一校を選びました。
学校選びでこだわったポイントは以下の3つです。
- 中部~南部エリア=少しでも寒くない地帯
- 低コスト(寮費+雑費が高すぎない)
- 空港・主要都市への交通手段(田舎希望+移動が楽)
スウェーデンは北部・中部・南部などのエリアごとに伝統や特色も分かれていますし、それぞれの良さがあると思います。
全国には約150ものFHSがあり、コースは約2,000にものぼります。留学で譲れないポイントを書き出してから絞っていくと選びやすいかもしれません。
エリア選びはこちらの記事を参考に:
不明点・疑問点は学校へ問い合わせよう
学校の公式サイトに目を通していくと、不安なことや気になる点が出てくるかもしれません。そんな時は、気軽に各学校の問い合わせ窓口へ連絡しましょう。
スウェーデンの人々は英語が堪能なので、現時点でスウェーデン語が流暢でなくとも、翻訳アプリを使って英語でやり取りすることができます。
返答がなかなか来ない時は・・
問合せメールを送っても中々返答が来ない場合、受信に気づいていないか後回しにされている可能性があります。何度か送り直すか、コースの問合せメールアドレスへ送る等、工夫するの良い手です。
筆者は学校の代表メールアドレスへ数回問合せメールを送りましたが、1~2週間ほど返答がなかったのでコース講師へメールし、代表窓口へ取り次いでもらいました。
【実体験】翻訳ツールとカタコト英語で乗り切った渡航準備
筆者が学校へ連絡した際、Google翻訳を利用して問合せメールを送り、その後入学するまでのやり取りはすべて英語で行いました。
メールや電話で何度かやり取りをしましたが、カタコトの初級~中級レベル:日常会話程度の英語力でも十分意思疎通を図ることができました。最初の問い合わせ時に自分の英語・スウェーデン語の会話レベルについて記載していたので、相手が簡単な英語でやり取りしてくれたのが大きいかもしれません。
私の場合、入学に関するやり取りや問い合わせはすべて数時間〜数日内に簡潔で迅速に対応してもらえました。皆、親切・丁寧・迅速な対応でした。
入学申込み~面談・合格通知
行きたい学校が決まったら、サイト内のコース概要ページに記載されている申込受付期間を確認しましょう。すでに応募が終了していても、常設コースであれば翌年の同時期に応募が再開される可能性が高いです。定期的にチェックしましょう。
入学出願の方法・その後の流れ
受付が始まると、各コースページに申込みリンクが表示されます。
その後はリンク先に記載の手順通り進むだけなのですが、申し込み時に『パーソナルナンバー(Personnummer / 個人番号)』の入力が必須となるケースがあります。
パーソナルナンバーは日本のマイナンバー制度のようなもので、スウェーデン国民に割り当てられます、非スウェーデン国民の私たち(日本人)は通常持っていないIDなので、パーソナルナンバーが必須で先へ進めない場合は学校の代表メールアドレスにその旨を問い合わせましょう。
コース申込み後は、学校関係者から届く通達に沿って、オンライン面談や入学許可証の発行手続きなどを進めていく流れとなります。
【実体験】筆者のケース(申込~入学まで)
筆者の場合、上記の通り”個人番号”が必須のシステム登録をしないと申込みできない仕組みでした。
学校のメールアドレスへ「日本から申込みしたいがシステム登録できない」という旨を伝え、メールにて個別対応してもらいました。
学校によって手続きの流れが異なると思いますが、参考までに私がやり取りした流れを以下に記録しておきます。
- 入学希望のメールを代表へ送信 ➡ 受付完了
- 講師からオンライン面談の提示連絡 ➡ 面談の日程調整
- 面談の実施・その場で入学許可をもらう
- 入学許可証の発行(PDFデータ)
内容:入学/入寮希望理由とレジュメ、正規ルートで手続きできない旨を添えたもの。
受付後、代理で仮登録と申込み手続きを進めてくれました。
スウェーデンとは時差が7~8時間あります。日本時間の夕方実施でした。
面談はコース講師、寮管理者、校長の3人が参加しました。
「合否通知はいつか」を訊いたところ、その場で許可をもらえました。
面談後すぐにビザ申請したかった為窓口へ依頼しました。
所要期間は約1か月半でした。何度かメールチェックを忘れたので、実質1カ月ほどで入学手続きは終了しました。
入寮申込み
無事に入学が決まっても、忘れてはいけないのが「住まい」です。スウェーデンでの物件探しは、現地の人々でも困難と言われているほど物件が少なく、家賃も比較的高いようです。都心部はアパートメントが多く、郊外や田舎エリアは戸建てが多い印象を受けました。
現地に知り合いやルームシェアできるコネがない限り、長期留学の際は学校寮を利用するのがベストです。労力もコストも抑えられます。
おすすめは入寮一択
寮の室数・定員には限りがあり、何年も継続して利用する生徒も多いです。コース募集がスタートしたらすぐに申し込み、並行して入寮希望の旨を寮担当者(または指定先)へ連絡しましょう。
多くの学校は寮施設を備えているので、あらかじめ入寮することを視野に入れて学校を探しましょう。寮費には学食サービスが含まれていることが多く、寮費は学校や居住エリアによって月 5 000~9 000SEK(約8~12万円)とピンキリです。
参考までに、筆者の寮生活のサービス内容とコストをまとめました:
筆者のケース(基本的な寮設備・食事サービス)
寮費: 5 200SEK/月*1(約75,000円/当時のレート。現在だと約90,000円)+振込手数料 数百円
(専用個室・施設利用費・平日の食事サービス込みの金額)
*1毎月請求書が寮に届き、学校を管轄する自治体へ銀行振込みしていました
寮の設備:
- 個室*2(シングルベッド・寝具・収納・机・椅子・トイレ・シャワー)
- 共用キッチン(冷蔵庫・パントリー・ダイニングテーブル)
- 共用洗濯室(洗濯機、乾燥機、シンク、物干し)
- フリールーム(TV、ソファ)
*2 個室は金額によって部屋の広さ(ベッドが2台になる)を選べる
食事サービス:
- 月~木:朝食・昼食・夕食
- 金*3:朝食・昼食
※食事は日替わりのブッフェスタイル
*3 金曜の夕食~日曜、休暇中はサービス外のため自炊が必要
学校探しに関するQ&A
Q1: 語学力が不安です。授業についていけますか?
A: 大変だけどなんとかなります。
受講するコースにもよると思いますが、座学中心の専攻でなければ、言葉だけでなく視覚情報やジェスチャーからも理解を深めやすいと思います。
筆者の場合、入学申し込みの前に語学力の不安を講師に相談しましたが、講師側でサポートするのであまり心配はいらないと聞いて安堵しました。
実際、留学中の大半は翻訳アプリを使いながら会話し勉強していました。講師もクラスメイトもゆっくりスウェーデン語を話してくれましたし、授業外や寮生とは英語でやり取りしていたので不自由なりに楽しむことができました。
語学学習について深掘りしたいかたはこちらの記事がおすすめです:
Q: サービス料や寮費はどこで見れますか?
A: 各学校の公式サイトから閲覧できます。
公式検索サイトでコースや学校を検索し、任意の学校(またはコース)を選択すると概要ページが出てきます。そこに記載されているURLから学校の公式サイトへ飛んで探してみてください。
学校ごとに異なりますが、大体コース概要や費用説明のページがあって、そこに詳細な情報があります。
Q: 留学中、寮費などの支払いをどうやって海外の口座に振込めばいいですか?
A: オンラインの送金サービスで支払うことができます。
日本の銀行(楽天銀行や三井住友銀行など)や各種海外送金のサービス(PayPalやWiseなど)があり、スマホ一つで簡単に送金することができます。
おすすめは海外送金サービスの「Wise」です。寮費程度の送金手数料は800円前後で送金できます。
海外送金に関する記事はこちら:
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